親の英語の教え方が子どもに与える影響とは?
家庭での英語教育の重要性

まずは学校教育と家庭教育の役割と、家庭での英語教育が子どもに与える影響について解説します。
学校教育と家庭教育の役割
学校教育では2020年度から小学校3〜6年生を対象に、英語教育が必修化されました。そのおもな目的は、高校卒業までに英語の「聞く」「読む」「話す」「書く」の4つのスキルを育てることとしています。
しかし学校教育で学んだ英語は、社会で通用しないといわれることがあります。その理由は、社会に出たときに多くの人が英語でコミュニケーションがとれていないからです。そのため家庭教育は、学校教育で手薄になりがちなコミュニケーションツールとしての英語を学び、学校教育での弱点を補う役割があるといえます。
家庭での英語教育が子どもに与える影響
幼児期には、家族などの身近な人と関わることで言葉とものを結びつけて理解し、どんどん言葉を覚えていきます。これは母国語以外でも同じです。英語を家庭で使うことによって、たくさんの言葉を覚えて言語能力がアップするのです。
親が子どもの英語学習に積極的に関わることによって、語彙が増えることはもちろんのこと、言葉での表現力やコミュニケーション能力を育むなどのメリットが見込めます。
効果的な家庭での英語教育方法
ここでは、効果的な家庭での英語教育方法をご紹介します。

日常生活で英語を取り入れる方法
日常生活で英語を取り入れることも、家庭での英語教育のひとつです。その方法として、短いフレーズを使って子どもに話しかける、英語の音声を流したりするなどがあります。また、物を指差しして英語で答えてもらうゲームをするのもおすすめです。
子どもの興味を引く教材の選び方
家庭で英語教育をするときに役立つのが英語教材です。英語教材にはアニメーションやカード、おもちゃ、絵本など、子どもの興味を引くものがたくさんあります。教材を選ぶときには、子どもの年齢と英語のレベル、子どもに合ったものを選ぶことが大切です。
親の態度が子どもの学習に与える影響
家庭での英語教育は、親の態度によって成果や効果が左右されます。どのような態度で接すればよいのか解説していきます。
学習に対するポジティブな姿勢の伝え方
「勉強」「学習」という言葉に、多くの子どもは「やりたくない」「おもしろくない」とネガティブなイメージをもっています。家庭学習では、まずはそのイメージをポジティブな印象に変えることが大切です。親は子どもに、学習へのポジティブな姿勢を伝えましょう。たとえば「これ、おもしろそう」と興味を引き、いっしょに学んだり、楽しみながら英語に触れる様子を見せたりします。また些細なことでもいいですから、できるようになったことや上達したことを具体的にほめてあげましょう。そうすることでやる気を引き出し、モチベーションを高めます。
過度な期待は逆効果?バランスの取り方
英語を話せるようになってほしいという親の願いを叶えたいために、子どもに過度な期待をかけたり、無理な勉強をさせたりするのは逆効果です。そもそも言語の習得は、短い時間でできるものではありません。また過度な期待や無理強いは、子どもが英語嫌いになったり、学びを途中で辞めることにつながる可能性もあります。そうならないために気をつけたいのが、英語と日本語を使うバランスです。家庭では日本語で話すことや読むことをしっかりやりつつ、英語の学習時間を適切に設けるようにしましょう。
親の英語能力と子どもの学習
家庭での英語教育をする際に気になるのが、親の英語能力が子どもにどのような影響を与えるかということです。ここでは親の英語レベルが子どもに与える影響と、英語があまり得意でない親ができるサポート方法をご紹介します。
親の英語レベルが子どもに与える影響
実は親の英語レベルが低くても、子どもの英語力への影響はさほどありません。子どもは親の英語の発音の影響を受けにくいといわれています。また、家庭でできる英語学習の教材やツールもたくさんあります。
大事なのは、日常生活のなかでどれだけ英語に触れさせるか、英語でコミュニケーションをどれくらい取っているかです。たとえ英語が苦手な親でも、家庭に英語環境を整え、英語に触れる機会をたくさん作ってあげれば、子どもの英語力を伸ばすことができます。
英語が苦手な親ができるサポート方法
英語が得意でない親でも、子どもの英語力を伸ばすことは可能です。そのために、以下のようなサポートをしてあげましょう。
・英語環境を整えてあげる
・日常生活に英語を取り入れる
・子どもに合った適切なツールを選ぶ
・学習の成果を具体的にほめる
また、親もいっしょに英語を学ぶことも、サポート方法のひとつといえます。親子でいっしょに学べば、子どもがどこでつまずいているか、どこが得意なのかが把握できます。さらに親子間のコミュニケーションが増える、モチベーション維持にもつながるなどのメリットがあります。
家庭での英語教育では、親にできることがたくさんあります。いっしょに楽しみながら英語を学ぶとよいでしょう。
言語学習における一貫性・継続性について
言語学習におけるポイントである、一貫性・継続性について解説します。
定期的な学習習慣の確立
一貫性のある学習を継続することが、言語習得の近道となります。まずは、小さな目標と、学習スケジュールを立てるようにしましょう。
小さな目標は、たとえば「1か月以内にフォニックスを覚える」「1日3個、動物の単語を覚える」など、目標達成期間と具体的な目標のことです。小さな目標を期間内にクリアしていけば達成感も得られ、自己肯定感やモチベーションアップにもつながります。
また英語学習する時間を決め、同じ時間に毎日学習するようにしましょう。たとえば「毎日朝の6:45〜7:00までの15分間を英語学習の時間にする」といった具合です。このとき、自分が学習に集中できる無理のない時間を設定するよう注意してください。
学習記録とフィードバック
英語学習の記録をとりフィードバックをすることで、英語の理解度を深め、モチベーション維持につながります。ノートを用意し、
・今日の日付
・小さな目標
・今日やった学習内容
・できたこと
・できなかったこと
などを記録します。この記録を続けると、今後の課題や次はどうしたらよいのかなどがわかるようになります。
子どもの英語学習でよくある質問(FAQ)
最後に、子どもの英語学習でよくある質問に答えていきましょう。
家庭で英語教育を始める最適な時期は?
家庭で英語教育を始めるのに最適といわれる時期は、2〜3歳ごろといわれています。この時期は子どもの日本語力がある程度確立しており、英語学習を進めやすいからです。また、発音やリズム感の習得も十分にできる時期といえます。
英語教育に関する親の不安を解消する方法はある?
親が英語教育を不安視する理由のひとつに、家庭での英語での接し方や親しみ方がわからないというのがあります。それを解消するひとつの方法として、日常生活に英語を取り入れることがあります。英語の歌を歌ったり、英語の動画をいっしょに見たりするだけでも、自然に英語に触れることができます。また小学校3年生以上の子どもなら、英語の音読を聞いてあげたり、どんな英語の授業をしているのか聞いたりするだけでもよいでしょう。学校での学習内容は、家庭で行う英語学習のヒントにもなります。
まとめ
親の英語のレベルは、子どもにはほとんど影響がありません。親に必要なのは英語力ではなく、英語に対する前向きな態度です。子どもに適した教材やツールを活用し、学習の一貫性・継続性を保ちましょう。また学習の進捗を記録することも、学習の効果を高めるためには欠かせません。家庭での英語教育は、子どもが英語を楽しく学ぶための機会を提供するだけでなく、子どもの将来に役立つさまざまな能力を育むことができます。ぜひ、家庭で楽しく英語学習をすすめましょう。