現代の親は子どもに留学させたい?させたくない?
親の英語教育への関心は高い
子どもの教育に関心の高い親が増えているといわれます。なかでも英語教育への関心はさらに高いといえるでしょう。親は子どもの英語学習でどんな風になってほしいと思っているのか、家庭ではどんな風に英語教育を行っているのかについて見てみましょう。
親が子どもの英語学習に求めるもの
小学1年生から高校3年生の子どもをもつ保護者2372人に行われた調査で、子どもに英語の学習や習い事を行わせている場合、何を目的にしているか聞いてみた結果は次のとおりです。
子どもが小学生の場合、最も多い回答が「教養として英語を身につけておくと将来役立つため」で63.2%。それ以外には「英語の先取り学習」「子ども自身が英語に興味がある、英語学習への意欲が高い」という回答がありました。
子どもが中学生以上では「受験対策」の回答が最も多く、「学校での学習内容の定着」「英検やTOEICなど資格取得」も多く回答が集まりました。
つまり小学生では英語の先取りや英語に慣れる目的で学習を始めるケースが多く、中学生以上になれば受験のために英語学習に注力しているケースが多いようです。
家庭での英語教育の実態
次に、家庭で実際にどのくらい英語教育が行われているのか見てみましょう。上記の調査で「学校の授業以外で英語に関する学習や習い事をしていますか?」と聞いたところ、半数以上が「はい」と回答。子どもの年齢別に見ると、小学生では50.6%、中学生では68.5%、高校生では58.3%が「現在、英語に関する学習や習い事をしている」と答えました。
またどの年代でも、2~3割が「現在はしていないが、以前英語に関する学習や習い事をしていた」と答えており、8〜9割の親が子どもに英語の学習や習い事をさせていることがわかりました。
※参考
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001040.000049291.html
留学に対する親の意識
子どもの英語学習に対する親の意識が、とても高いことがわかりました。そして英語学習の延長には、海外への留学という選択肢も生まれると予想されます。親は子どもの留学に対して、どんな風に思っているのでしょうか?
小中高生の留学への意欲
先の調査で「英語を学ぶために、子どもが留学やホームステイなどを経験したことがありますか?もしくは経験させたいですか?」と聞いたところ、子どもが幼いほど「留学やホームステイなどを経験させたい」と答えた親の割合が多い結果でした。
小学生の親の72.4%が「留学やホームステイなどを経験させたい」と答えており、中学生の親でも56.2%が同様に回答しています。
つまり現代の親は子どもの留学にもとても前向きに考えており、積極的に留学やホームステイの経験をしてほしいと思っているのです。
親が思う留学のメリット・デメリット
子どもが留学して得られる最大のメリットは、英語力の向上でしょう。学校だけでなく生活する場でも英語が当たり前にある場所にいれば、英語を使わざるを得ない環境になります。最初は現地の人とうまくコミュニケーションが取れなくても、次第に「生きた英語」を身につけられるでしょう。さらに留学の経験があれば視野が大きく広がり、海外の大学への進学やグローバルでできる仕事に就くなど、将来の選択肢も大きく広がっていきます。加えて、日本ではない異文化でひとりで生活するという体験を通して、ときには挫折を感じるかもしれませんが、きっと大きな自信を得られるでしょう。
それらのメリットに対して考えられるデメリットが、留学に費用がかかることです。留学先によって費用は異なりますが、学費のほかに現地での生活費と渡航費もあり、決して安い金額とはいえません。また万が一、留学してもなんらかの理由で途中で日本に帰ってきた場合、日本の高校に戻れないことも考えられます。そうなると中卒扱いになってしまい、ハンデとなることも否定できません。さらに現地でのコミュニケーションがうまくいかなかったり、友だちやステイ先の家族と合わなかったりすれば、孤独感により逆に自信をなくすことも可能性としてあるでしょう。
英語学習のための取り組み
「子どもに留学させたい」と考える親が多いことがわかりましたが、経済的なことなどさまざまな理由で実現が難しい場合もあるでしょう。そんなとき、家庭でどんな風に英語学習に臨んでいけばいいのでしょうか?
家庭での英語教育の工夫
子どもが小学生以下の幼いうちは、できるだけ毎日の生活で自然と英語に触れられる環境を作ってあげることが大切です。英語のアニメや動画を見せる、英語の歌を聞かせる、英語のゲームを行うなど、子どもの生活で自然に英語を使うようにしてあげるといいでしょう。
また子どものやる気を引き出すためには、親が子どもを褒めてあげることが重要です。「すごいね」「よく頑張っているね」など、小さなことでも子どもを褒めてあげましょう。こうすることで、子どもはますます「英語を頑張ろう!」という気になるものです。
学校外での英語学習サポート
学校の授業以外での英語学習について、先に紹介した調査では「学習塾に通う」が最も多い回答でした。それ以外では「英会話教室」「オンライン英会話」などの回答がありました。中学生や高校生の子どもでは「学習塾に通う」回答が約9割となりましたが、小学生については「ネイティブ講師による英会話教室」の回答がトップで、「日本語講師による英会話教室」「オンライン英会話」の回答も多く、主に英語のコミュニケーション力アップに力を入れている親が多いことがうかがえます。
留学実現に向けた親のサポート
子どもの留学を本気で考えるのなら、実現に向けてしっかり準備していきましょう。
留学への道のり
まずは子どもの留学への意思を確認して、本人が意欲を見せたら、留学までの計画を立てていきましょう。実際に留学する前には、英語や英会話の学習を行うほか、小さな子どもなら一人で寝られるようにしたり、身の回りのことは自分でできるようにしたりと、子ども自身で想像して必要なことを実行できるようにさせましょう。
親ができる具体的支援
また親は子どもの留学先についても、しっかりリサーチして選びたいものです。留学先をどこにするのか、どの学校に通うのか、ステイ先はどうするかなど、決めなければならないことはたくさんあります。語学学校や留学エージェントなどもありますから、必要があれば利用しましょう。さまざまな情報を集めて、子どもの性格や留学の目的にあったところを選ぶようにしてください。
また留学にあたってパスポートやビザの申請、書類の提出、面接なども必要になります。それらの手続きについて親がしっかり把握し、計画的に進められるようにサポートしてあげましょう。
まとめ
ますますグローバル化する世界では、英語を話せる人が求められていくでしょう。子どもを日本だけでなく世界で活躍できる人材に育てていくためには、英語力が欠かせません。そんなとき、留学という選択肢を考えてみてもいいでしょう。留学は英語力向上だけではなく、子どもに大きな自信をつけて逞しくなる経験を与えることにつながるはずです。