コラム

英語教育とSTEAM教育とかけあわせて、子どもをグローバル人材に育てる

STEAM教育とは?

そもそも「STEAM(スティーム)教育」とは、どんな教育のことを言うのか見てみましょう。

STEAM教育の5つの分野

STEAM教育のSTEAMとは「Science(科学)」「Technology(技術)」「Engineering(工学・ものづくり)」「Art(芸術・リベラルアーツ)」「Mathematics(数学)」の頭文字を組み合わせたものです。この5つの分野を中心に子どもの教育を行っていく概念を「STEAM教育」とよびます。

・S(科学)

植物、動物、人体、元素など、私たちの身の回りの世界をつくっている原理や宇宙などのすべてを網羅したジャンルです。

・T(技術)

小学校では2020年から、中学校では2021年からプログラミング教育が必修化されました。そのようなプログラミング的思考の教育によって、IT社会で求められる技術や論理倫理的指向を養います。

・E(工学)

技術の学習で得た知識からものづくりにつなげて、生産力や空間把握力を養います。実際にプログラミングしたものでロボットをつくったり、設計図や電子回路を作成したりします。

・A(芸術)

ダンス、演劇、音楽、絵画、デザイン、3Dデザインなどの芸術性や創造性を育みます。またSTEAM教育の「A」にはリベラルアーツの意味も含んでおり、人文科学、社会科学といった分野も学びます。

・M(数学)

数学の公式や法則を学ぶことで、論理倫理的思考力を身につけます。根拠に基づいてものごとを考えられる力は、数学以外のジャンルでも幅広く役立てることができます。

<h3>STEAM教育のメリット</h3>

アメリカでは1990年代頃から、数学や科学、ロボット研究やシステム開発などの分野の教育を重視した「STEM教育」という概念が広まっていきました。その後、このような研究開発を担う人材には、理数系の能力はもちろん、発想力や想像力なども備わっていることが重要であると考えられるようになります。自分の頭で考え、必要な知識を得て、新しいものを創造する能力を伸ばすために必要なのが「Arts(アート)」であり、AIの発展を背景に「Arts」の力も加えた「STEAM教育」の概念が海外でも広がっていきました。生活のさまざまな場面でIT化が広がり、AIの進化がめざましい現代では、STEAM教育の5つの分野の学習がますます求められます。そこで今後のIT化社会で活躍できる人材を育てていこうと、ますますSTEAM教育が注目されるようになっているのです。

STEAM教育で科学、技術、工学、芸術などの力が養われると、専門分野で活躍できる人材が育っていきます。また論理的思考力や問題解決能力も、自然と身についていくと期待できます。このようなメリットから、日本でも文部科学省がSTEAM教育を推進しているのです。

参考記事:

https://miraii.jp/stem-2

https://www.nichibun-g.co.jp/data/web-magazine/manabito/art/art132

早期英語教育のメリット

昨今注目されているSTEAM教育に、英語教育を組み合わせる考え方も生まれています。STEAM教育と英語を組み合わせることについて考察する前に、まずは早期英語教育におけるメリットについて考えてみましょう。

英語学習の早期開始がもたらすもの

IT化が進む現代社会でSTEAMのような能力が必要になっていくのと同時に、グローバル化も当たり前になっている今。小学校では英語教育が必修化され、幼いうちから英語を学ぶことも一般化しています。英語学習を早い段階から行うことで、自然と英語力を向上させられると期待できます。幼い子どもの吸収力はとても高く、学習スピードも速いものです。そのため早い段階から英語学習を開始すれば、自然と子どもに「英語脳」がつくられ、大人が英語を学ぶよりもずっと速く英語力を向上できるでしょう。

英語を通じたグローバルな視野の育成

インターネットを通じて、さまざまな国の人と気軽に交流できるようになった現代。人々が国境を越えてビジネスでもグローバルに活躍することが、ますます当たり前になっていくでしょう。そんなグローバル化社会では、英語を話せることが必須です。子どもに英語教育を行うことは、子どもの将来の可能性を広げることにつながります。

またネイティブの先生と英語で会話したり、英語の動画やアニメを自然に見たりしていれば、子どもには自然とグローバルな視点が備わり、ものごとを俯瞰して見られる広い視野が備わっていくでしょう。

英語とSTEAM教育の融合

子どもの将来の可能性を広げる、英語教育とSTEAM教育。これらを掛け合わせると、どんなメリットが生まれるのでしょうか?

英語教育×STEAM教育の相乗効果

実は、STEAM教育は英語学習と密接な関係があります。子どもの英語学習は中学や高校でもずっと行われてきましたが、それはどちらかというと知識や技能の習得を重視したものでした。それに対して、より実践的な活用も考慮して、思考力や判断力、表現力などの視点からも英語教育について見直しが行われました。つまり英語教育でも、子どもの論理倫理的な思考が必要となってきているのです。

STEAM教育によって子どもの論理倫理的な思考を養い、それと同時に英語教育も行うことで、英語においても論理倫理的に考えられるようになると期待できるのです。また科学、技術、工学などの分野は、アメリカなどの海外の国がトップクラスであり、最新の情報の多くは英語で書かれています。そのため英語を理解できる力があれば、STEAM教育においても最新の情報を得ることができるのです。

実践的な英語学習を通じたSTEAM教育の活用例

例えばストローやペットボトルなど身近なモノを使って、音が鳴るおもちゃを作るという授業を行った事例を紹介しましょう。ペットボトルにストローを入れてシャカシャカと振ると音が鳴りますが、中に入れるストローの本数を変えたり、別のものに変えたりすると音が変わってきます。そんな不思議を体験するという授業では、先生が子どもに「音がどう変わる?」などと英語で話しかけ、子どもも英語で答え、STEAM教育と英語教育をうまく融合させていきます。

家庭でできるSTEAM×英語の学習方法

STEAM教育や英語学習は学校に任せるだけではなく、家庭でも取り入れたり、親がサポートしたりできます。

親が子どものSTEAM学習×英語学習をサポートする方法

例えば子どもの遊びの中で、科学の不思議を体験させてあげることもいいでしょう。水を入れたペットボトルに絵具を溶かし、複数の色を混ぜてみて、どう変化しているか見てみることもSTEAM教育の一環になるでしょう。さらに普段から親子での日常会話に英語を取り入れて、子どもが英語を自然に話したり耳にしたりする環境にするのもおすすめです。また市販のSTEAM教育の教材に親子で取り組んで、楽しみながら自然と子どもが科学や工学、英語に触れられるように親がサポートすることも効果的です。

英語×STEAM教育の将来性

アメリカ、シンガポール、インドなど、世界各国で取り入れられているSTEAM教育。インターネットやAIを利用することが当たり前のこれからの時代では、科学や技術を身につけた人材こそ活躍できるようになるでしょう。

また英語を母国語としない私たち日本人にとっては、英語を学んでおくことも、将来社会で活躍するためには必要不可欠です。つまり英語とSTEAM教育を融合させた教育は、次世代を担う人材を育てるためにはとても大切だといえるでしょう。

まとめ

世界各国が注目しているSTEAM教育。日本ではまだ聞きなれない言葉かもしれませんが、海外ではすでに注目されている教育方法です。これに英語を組み合わせることで、これからの時代で活躍できる能力を子どものうちから育てていくことができます。「子どもにはグローバルに活躍してほしいから英語を学んでほしい」と考える方は、ぜひ「STEAM教育」にも目を向けて、英語とSTEAM教育を組み合わせた教育についても考えてみてください。

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