早期教育とは?メリットデメリットと幼児教育との違いを簡単に解説
早期教育とは
早期教育とは、未就学の子どもに行う教育のことです。幼い子どもは脳が柔軟で、新しいことを学ぶ吸収力も順応能力が高いという特徴があります。その期間に教育を始めることで脳を活性化させ、より優秀な人材に育てていこうという理念で行われています。
早期教育の種類
早期教育には、主に次のような種類があります。
先取り学習
従来なら小学校に入学してから行われる、ひらがな・カタカナ・漢字の読み書き、簡単な計算などを学びます。通信教育や市販の教材を使って自宅で行うほか、幼児教室や学習教室などに通って学習する場合もあります。
知能教育
記憶力や集中力に関わるといわれる右脳を鍛え、知能を育てる教育です。別名「右脳教育」ともいいます。フラッシュカードなどの教材が使われることが多い方法です。
外国語学習
2020年より小学校での英語教育が必修となりました。それに伴い、早くから英語をはじめとした外国語教育を行おうとする人が増えています。幼いうちは、英語の発音を耳で聞いて同じように声に出すことがスムーズにしやすく、無理せず英語力がアップできると期待されています。
スポーツ系の習い事
幼いうちからスポーツを始めることも、早期教育の一種です。水泳・バレエ・野球・サッカーなどを早くから行うことで、子どもの身体能力や運動能力がアップします。
芸術系の習い事
スポーツの他に、ピアノ・バイオリン・絵画などの芸術系の習い事を早くから始めることも早期教育です。芸術に触れさせることで、子どもの想像力や感性を刺激します。
幼児教育との違い
早期教育は知識やスキルなどを身につける目的であるのに対し、幼児教育は小学校での学習のための基礎作りや、社会性を伸ばす目的で行う教育です。早期教育も幼児教育も、どちらも小学校入学前の子どもに行われる教育ですが、目的が異なります。とくに幼児教育は、家庭や地域での教育など幅広い内容が含まれます。
早期教育のメリット・デメリット
早期教育には、どんなメリットやデメリットがあるのでしょうか?
メリット①学力の基礎を身につけられる
早期教育のメリットとして、子どもの基礎的な学力を身につけられることがあります。早期教育の内容にもよりますが、ひらがな・カタカナの読み書き、計算などの学力を小さい頃から身につけられると、小学校に入学してからの授業を十分に理解し、余裕を持って授業にのぞめるようになります。
メリット②子どもが興味を持つ分野・得意分野を引き出せる
早期教育でさまざまな新しいことに触れると、子どもの好奇心が刺激されます。多くの事柄に触れるなかで子どもが興味を持つことや得意な分野を見つけて、それを引き出すことに繋がります。得意分野を、さらに伸ばしていくことも可能になります。
メリット③子どもに自信が生まれる
早期教育によって「計算ができる」「英単語がわかる」などのできることが増えていくと、子どもには「自分はできるんだ」という自信が生まれます。自己肯定感が高まり、さらに新しいことにチャレンジしたいという気持ちが芽生えていきます。
デメリット①自主性が生まれにくい可能性がある
先生から知識を教わるだけの一方通行の教育や、決められた枠組みで行われる教育では、子どもは受け身になってしまい、自主性が芽生えにくくなることが考えられます。同様に、子どもの創造性が養われにくくなることも懸念されます。
デメリット②子どもにプレッシャーを与える可能性がある
子どもの発達や精神状態などを考慮せず、親が無理に早期教育を行おうとすると、子どもがそれをプレッシャーやストレスに感じてしまう可能性があります。「母親が喜ぶように行動しよう」「父親に怒られないようにしなきゃ」などと、無意識のうちに考えるようになりかねません。自ら楽しんで取り組んでいるのか、そうでないのか、子どもの様子を見て行う必要があるでしょう。
デメリット③親同士の競争になることがある
子どもが幼いうちに行う早期教育では、その現場に親が関わることも多いでしょう。そんな場面では、親同士が子どもの結果について競うようになる可能性もあります。「〇〇ちゃんはできているのに、うちの子はまだできていない」などと、いつの間にか親同士が競争するようになることも考えられます。しかし、子どもの成長は個人差が大きいものです。のびのびと自分のペースで取り組めるように、親はストレスやプレッシャーを与えずに、温かく見守る気持ちが大切です。
早期教育を行う時の注意点
早期教育には数多くのメリットがありますが、やり方次第ではデメリットが生まれることを理解しましょう。そして、次のような事柄に注意していくことが大切です。
他の子と比べない
幼児教室や習い事教室に通う場合、同じくらいの年齢の子どもたちが一緒に取り組むことになるため、まわりと自分の子どもを比較して見てしまうかもしれません。しかし子どもの成長のペースや得意・不得意は、一人ひとりで違うものです。他の子どもと比べるのではなく、その子自身がどんなことができるようになったのか、成長や努力に対して褒めて認めてあげるといいでしょう。
子供が楽しんでいるかどうかを優先に考える
親がどんなに早期教育に熱心でも、子どもが「楽しい」と感じなければせっかくの教育も意味は半減します。逆に、子どもが勉強嫌いになる可能性もあるでしょう。子どもは「好き」「楽しい」と思うことなら自分で進んで取り組むものです。子どもが興味を持って楽しんでいるかどうか、親がよく観察しましょう。
自主性を尊重する
「〇〇をやりなさい」「次は△△」と、決められた枠組みに沿って早期教育を進めるのではなく、子どもの自主性を尊重しましょう。子どもが嫌がる内容を無理に行っても、子どもは余計にその分野を嫌いになるだけです。「これ、やってみたい」と子どもが自らチャレンジすることを、親は温かく素直に見守る姿勢を忘れずにいましょう。
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自分の子どもに見合った早期教育を
読み書きや計算など、子どもの知識や技術を身につけられる早期教育。その種類はさまざまなものがあり、子どもの好奇心や得意分野を引き出して伸ばし、子どもに「自分はできる」という自信をつけさせるメリットがあります。一方で、自主性や創造力の発達を妨げたり、親からのプレッシャーを感じたりといったデメリットが生まれることもあります。子どもに早期教育を行うことを考えている方は、ぜひメリットとデメリットを理解したうえで、どんな早期教育を行うといいのか、自分の子どもにあった内容を検討しましょう。