英会話スクールで子どもの『英語を話す力』は向上するのか?
英会話スクールの現状
全国のあちこちにある英会話スクール。いったいどのくらいの数があり、そこに子どもを通わせる親はどんな期待を持っているものなのでしょうか?
英会話スクールの普及
子どもを対象とした教室から大人向けまで、さまざまな英会話スクールがあります。また初心者向けのところから、ビジネスで使いたい人や留学を考えている人向け、資格取得を目指したスクール、上級者を対象にしたスクールまでそのタイプも異なります。
日本にある英会話スクールは、1万校以上といわれるほど。それだけ「英会話を学びたい」と考える人や「子どもに英会話を習わせたい」と思う人が多く、英会話スクールが普及しているということを表しています。
親が抱く期待と実際の成果
親が子どもを英会話スクールに通わせるとき、英語を話す力や理解できる力を伸ばしたいと思うでしょう。では、実際に英会話スクールに通った子どもはどうなるのでしょうか?じゅけラボOnlineインターナショナルスクールJOIが、英会話教室に子どもを通わせた経験のある人に行ったアンケート調査の結果によると「英会話スクールに通ったら、子どもの英語を話す力が伸びた」と答えた人はおよそ4割。そして全体の2割ほどは「子どもの英語を話す力は伸びなかった」と回答しています。この結果は地域差が大きく、東京都では「子どもの英語の話す力が伸びた」と回答した人の割合がもっとも高くなりました。つまり子どもを英会話スクールに通わせると、4割近くの人はその成果を感じるものの、一部には成果が見られないと思っている人もいるということです。
※英会話スクールの普及状況と、子どもの英語教育に対する保護者の期待、親が英会話スクールに求める成果、実際に感じた成果のギャップについて
※この記事はインターナショナルスクールが実施した「英会話スクールや英語塾の効果に関するアンケート」https://news.mynavi.jp/article/20240109-2857579/
をもとに、英会話スクールの重要性や活用法について、保護者がどう考えているのかをレポートするものです。
英会話スクール利用の効果
英会話スクールに通うことで、実際にどんな効果が見られるのでしょうか?
スピーキング能力の向上
英会話スクールはその名前の通り、英語で会話を行うのがメインです。知り合いと出会ったときに何と挨拶するのか、自宅で親子が日常会話をするときに英語ではどんな風に言うのかなど、日常で使う表現を英語で学んでいきます。英語を話す人と出会ったときに動じたり慌てたりしなくなったり、英語を耳から聞いて理解する力を身に着けたりできるほか、英語を話す力の伸びも期待できます。
地域差とその背景
先ほどご紹介したアンケート結果を見ると、期待通りに「子どもの英語を話す力が伸びている」と感じる人が一定数いることがわかります。ただその成果には、地域でも異なる結果が出ています。
これは英会話スクールの質や指導方法、さらにカリキュラムなどが関係している可能性があります。英会話スクールといっても、学校や講師によってどんな内容の授業を行い、どんなカリキュラムが立てられているかは異なります。それによって、学校や地域で子どもの英語を話す力の伸びに差が出てしまうと感じられるのかもしれません。
英会話スクール学習の課題とは
英会話スクールに通っただけで、期待通りに子どもの英語を話す力を伸ばせるとは必ずしもいえません。英会話スクールでの知っておくべき課題について見てみましょう。
英語スキル向上に対する課題
子どもが英会話スクールに通っても、子どもの英語力が必ずしも上がるとはいえません。子どもが英会話スクールに通って、楽しく講師や他の子どもたちと英語でやりとりできてこそ、英語を話す力も伸びていくでしょう。
成果を感じない親の割合と理由
先に紹介したアンケート調査では「英語を話す力があまり伸びなかった」と感じている人が約2割いる結果になりました。子どもの英語を話す力について聞いた答えが「どちらでもない」と答えた人も含めると40〜50%近くにもなり、半数近くは「子どもの英語を話す力に変化がなかった」と感じています。
その理由として、通った英会話スクールのカリキュラムや講師に問題がある、子どもとの相性が良くなかったなどが考えられるでしょう。子どもが英会話スクールで楽しく英語を使えていなかったり、グループレッスンの人数が多くて一人ひとりの子どもが発言する機会が少なくなったりすれば、英語を話す力があまり伸びないことにつながるかもしれません。
英会話スクール選びのポイント
子どもを英会話スクールに通わせて、英語を話す力をしっかり伸ばすためには、どの英会話スクールを選ぶかがポイントになります。
効果的な英会話スクールの選び方
まず英会話スクールを選ぶときに考えたいのは、どんなレッスン形式で行われているかです。英会話スクールによって、講師とマンツーマンで行う場合、何人かのグループでレッスンを行う場合、オンラインでのレッスンを行う場合など、レッスン形式が異なります。子どもの性格や英語のレベルによって、最適なものを考える必要があります。また、スクールの場所と通いやすさも重要です。家から近い場所にあれば通いやすいですが、遠い場所だとなにかと通いづらくなり、継続することが難しくなります。
さらに講師の質やコース、カリキュラムなどもチェックしておきましょう。
実践的な学習方法の重要性
また、実際の生活シーンを想定した実践的な英会話を学ぶことも重要です。日常的によくあるシーンにもとづいた英会話を練習しなければ効果は半減してしまいます。実践的な学びがあるかどうかは、英会話スクールや講師のカリキュラムにかかっているといえるでしょう。
家庭でのサポートの重要性
子どもを英会話スクールに通わせながら、家庭でも親がサポートしていくことが大切です。
家庭での英語環境の整備
子どもが英会話スクールに通っても、子どもが英語に触れるのはスクールに行った時間だけに限られます。子どもの英語力を伸ばしていくためには、英会話スクール以外の時間でも、できるだけ英語に触れる環境を親が整えてあげることが必要です。
例えば英会話スクールに通うまでの電車や自動車の中で、子どもに英語の歌を聞かせてもいいでしょう。普段から子どもに英語のアニメや動画を見せてあげてもいいですね。
親子での英語学習のすすめ
せっかく子どもに英語を話す力をつけさせたいと思うなら、子どもにだけ英語を勉強させるのではなく、親子で学ぶ姿勢を持ってみましょう。朝起きたら「Good morning!」と声をかける、子どもが知らないものを見たときに「What is that?」と聞く、といったことを親子での日常的な会話に取り入れてみましょう。こうすることで、子どもの英語を話す力が自然と身につきやすくなります。
まとめ
子どもに英語に触れさせたり、英語を話す力を身につけたりするには、英会話スクールが身近で便利な存在です。しかし英会話スクールに通って「子どもの英語を話す力が伸びた」と感じる人が一定数いる半面、「効果が見られなかった」と感じている人もいるのが現実です。
英会話スクールで効果的に子どもの英語を話す力を向上させるには、子どもに合っていて、効果的なカリキュラムが組まれている、質の高い英会話スクールを選ぶことが大事です。さらに英会話スクールに通っていない時間でも、日常的に親子で英語での会話を行い、英語に触れさせることが重要です。