コラム

バイリンガルじゃなくても英語は得意になれる?子どもの英語力向上への道

バイリンガルとは?

そもそも、バイリンガルとはどんな人のことをいうのか見てみましょう。

バイリンガルの定義

バイリンガルとは、2つの言語を話す能力を持っている人を指します。ラテン語で「2つの」の意味を持つ「bi」と、「言語」の意味を持つ「lingua」が組み合わさってできた言葉です。母国語に加えてもう1つ別の言語を習得した人が当てはまり、2つの言語が何語かは問いません。日本語と英語を話せる人も、中国語と英語を話せる人も、どちらもバイリンガルです。バイリンガルになるケースとしては、国際結婚して両親が異なる言語を話す家庭環境で育った子どもが挙げられます。なお、バイリンガルは2つの言語を話す人を指すのに対し、3つの言語を話す人は「トリリンガル」、複数の言語を話す人は「マルチリンガル」といいます。

バイリンガルになるための条件

バイリンガルは「2つの言語を話せる人」と定義されますが、「話せる能力」のレベルに明確な基準はありません。そのためどの程度2つの言語を話すことができれば、バイリンガルと呼ばれるのかは、議論が分かれるところです。

しかし一般的に、2つの言語を使い自由にコミュニケーションを取れるレベルが求められるでしょう。母国語を流暢に話し、それに加えて第2言語もネイティブ並みに話せたり、仕事やプライベート全般で話せたりすると、バイリンガルと呼ぶケースが多いのです。

2つの言語を習得しているけれどどちらも完璧ではない場合や、どちらかの言語の習得が不十分な場合は「セミリンガル」といいます。2つの言語またはどちらかが十分なレベルに達していない場合を「ダブル・リミテッド」と呼ぶこともあります。

バイリンガルの頭の中はどうなっているの?

2つの言語を巧みに話せるバイリンガルは「バイリンガル脳」を持っているなどといわれます。バイリンガルの頭の中は、いったいどうなっているのでしょうか?

言語と思考の関係

私たちがある言葉を話したり言葉を理解したりするとき、脳の「言語野」と呼ばれる部分が働きます。とくに言葉を話すときは「運動性言語中枢」が、言語を聞いて理解するときは「感覚性言語中枢」が働きます。しかしバイリンガルの場合、例えば英語を耳にして理解し、日本語で答えることもできます。2つの言語で物事を捉え、それを自由に2つの言語で表現するためには、1つの言語だけを話す「モノリンガル」の脳と比べて、脳の異なる部分がより深く関わっていることがわかっています。

複数言語を使うことによる影響

バイリンガル脳については、これまでも多くの研究が行われてきており、モノリンガルと異なることがわかってきています。とくにバイリンガルでは、モノリンガルよりも神経細胞が多くあります。またバイリンガルは、脳で作業したり情報を処理したりできる能力であるワーキングメモリーも優れていることがわかっています。2つの言語を巧みに話せるバイリンガルは、頭の切り替えや回転が速く、マルチタスクが得意などの傾向があるといわれています。さらに大人になればロジカルシンキングがしやすくなり、ビジネスの面でもプラスに働くでしょう。

バイリンガルから学ぶ英語学習法

自然と2つの言語を使い分けしたり、聞き分けたりできるバイリンガル。バイリンガルがどうやって2つの言語を習得したかわかれば、「子どもに英語を学ばせたい」と思っている人にとっていいヒントになるでしょう。

効果的な学習法

バイリンガルになる例として一番わかりやすいのは、両親が別の言語を話す家庭で育った子どもです。そんな家庭環境では、子どもは自然に2つの言語を耳にします。これを考えると「子どもをバイリンガルにしたい」「子どもに英語を学ばせたい」と思うとき、家庭でも2つの言語を自然と耳にしたり使ったりする環境を整えるのがいいでしょう。日常の親子での会話で英語を使ったり、子どもが見る動画や音楽に英語を取り入れたり、子どもが遊ぶゲームに英語を使ったりするのがおすすめです。

日本で日本人の親のもとに育つ子どもにとって、日本語については自然に耳にするため、習得しやすい環境にあります。英語についても、触れる機会を意識的に作ってあげるのがいいでしょう。

子どもが英語を好きになるコツ

バイリンガルから学んで効果的な学習方法を取り入れたとしても、子どもが「英語なんてキライ!」と思ってしまっては意味がありません。一度英語が嫌いになったら、中学、高校などの英語学習にも悪い影響を及ぼしてしまうでしょう。

それを避けるためには、子どもに英語を好きになってもらうことがポイントです。そのためには、子どもが好きなことの中に英語を取り入れるのが大切です。好きなアニメがあればその英語版を見せたり、子どもが好きなゲームを英語で行ったりと、楽しみながら英語に触れさせてあげましょう。

さらに、親が子どもをたくさん褒めてあげることも大切です。子どもは親に「すごいね」「よく頑張っているね」と褒められれば、うれしくなってさらに頑張ろうとするものです。ぜひ、小さなことでもたくさん子どもを褒めてあげましょう。

バイリンガルでなくても英語が得意になる方法

子どもをバイリンガルにするのは、決して簡単なことではありません。しかしバイリンガルではなくても、英語を得意にすることはできます。

英語学習のための環境作り

日本の一般的な家庭では、日本語を使います。子どもに英語を学ばせたいなら、日本語だけでなく英語に触れる環境を作ってあげることが大切です。英会話教室に行ったり、英会話レッスンを受けさせたりすることもひとつの方法ですが、それに加えて、普段の子どもの生活の中で自然に英語に触れられるようにしてあげましょう。

日常生活で英語を取り入れるアイデア

例えば英語の音楽を家や車の中で聞かせたり、子どもに読み聞かせする絵本は英語のものを選んでみたりするのもいいでしょう。日本でおなじみのアニメや映画の英語版があれば、それを子どもに見せれば、自然に英語の表現を身につけられるでしょう。子どもが少しずつ英語に慣れてきたら、ぬり絵や絵本などでアルファベットに慣れ、単語を覚えるようにしていくのもおすすめです。

まとめ

バイリンガルといえば、帰国子女のような海外で生活した人がなるというイメージがあるかもしれません。しかし日本に住みながらも、バイリンガルになれる方法はたくさんあります。またバイリンガルにならなくても、英語が得意な人もたくさんいます。バイリンガルになった人の学習方法を参考にすれば、子どもが楽しみながら英語を自然に好きになって得意になるヒントが得られるはずです。まずは、子どもが楽しく英語に触れることが大切です。ポイントをおさえて、親は子どもに英語と自然に接することができる環境を整えてあげるといいでしょう。

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