コラム

英語嫌いの小学生が増加?必須化した小学生の英語教育の現状

そこでこの記事では、小学校の英語教育にスポットを当て、新学習指導要領の英語教育の変更点や具体的な授業内容、評価と教科書についてなどを解説します。また、英語嫌いの小学生が増加している理由についても考察します。

【小学生】新学習指導要領の英語教育の変更点

日本における小学校の英語教育は、2011年から5・6年生を対象に始まっていましたが、2020年度から新学習指導要領が実施され、3年生から英語が必修化されたのが大きな変更点です。また今まで5・6年生は「外国語活動」だったものが「外国語」という教科名に変更になり、3・4年生は「外国語活動」という授業で英語を学びます。

具体的な小学校での英語の授業内容は?

英語教育の目標は、「話す(やり取り)」「話す(発表)」「聞く」「読む」「書く」の4技能5領域をバランスよく習得することとされています。

3・4年生の「外国語活動」の授業内容は「話す」「聞く」の2技能に特化し、「英語に親しむ」ことを目的に、年間35コマ(週1程度)行われます。具体的にはゲームや歌など、楽しみながら英語に親しむ活動のなかで、単語や短いフレーズを扱います。

5・6年生の「外国語」の授業内容は「話す」「聞く」に加えて、「読む」「書く」技能も学びます。教科書を使い年間70コマ(週2程度)授業が行われ、成績がつくのが特徴です。具体的には英語で自分のことを紹介したり、発表したりする授業が展開されます。

小学校での英語の評価と教科書について

5・6年生の「外国語」の授業では評価(成績)がつけられ、教科書を使います。これが3・4年生の「外国語活動」との大きな違いです。ここでは評価の方式と教科書について解説していきます。

評価方式について

外国語の授業では、ペーパーテストはほとんど行われません。そのためテストの点数で評価されることはなく、授業の様子や提出物、「振り返りカード」「ワークシート」の点検などを参考に評価をつけていきます。小学校学習指導要領の総則には「児童のよい点や進歩の状況などを積極的に評価し、学習したことの意義や価値を実感できるようにすること」と記載があるため、多くの児童がよい評価をしてもらえる傾向にあります。

教科書の導入について

5・6年生が使う「外国語」の教科書は、ページ数、単元数、単語の数がいずれも多く、中学校1年生の英語の教科書と同等レベルの内容となっています。授業では児童同士の話し合いや個人の発表などもあるため、「年間70コマ(週2程度)授業ではこなせないのではないか」という有識者の意見も出ています。

中学受験に英語が導入される可能性も

5・6年生のなかには、中学受験を考えている人もいることでしょう。中学を受験するときに気になるのが、英語が導入されるかどうかではないでしょうか。もし導入されるようなら早めに準備しなければなりません。

これまでは帰国生の入試の科目として英語がありましたが、昨今では一般入試でも試験科目として英語がすでに導入されています。2022年に実施された首都圏の中学受験の入試では、146校(私立中145校、国立中1校)が英語科目を導入しています。入試に英語を導入する学校は増加傾向にあるため、志望中学の情報は早めに確認しておきましょう。

一方で英語の好きな小学生は減少傾向

2020年に英語の授業が必修されてから3年が経過しました。そんな中こんな調査結果があります。それは2021年度に行われた文部科学省の全国学力・学習状況調査によるもので、小学6年生に「英語の学習(勉強)が好きですか?」と質問したところ、「そう思わない」「どちらかといえば、そう思わない」と答えた児童が31.5%もいたという結果です。2013年度に同じ質問をしたところ、同回答は23.7%でした。このことからわかるのは、英語が嫌いな小学生が増え、英語が好きな小学生が減少傾向にあるということです。

英語の必修化や成績もつくことから、英語嫌いの子が増えているのかもしれません。

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楽しく学んで英語を好きに

グローバルな時代を生きる子どもたちにとって、英語はコミュニケーションツールといえます。そんな英語の小学校必修化に戸惑うお子さん、保護者の方もいるかもしれません。また必修科目となったことで、英語が嫌いになる、苦手になることもありえます。そうならないためにも、家庭学習などで楽しくサポートするとよいでしょう。

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